ざっくりいうと
- 考えていることを何も加工せずに、そのまま言葉にしてしまうと、論理的な説明ができない
- 論理的であるには、その語と語の関係性に敏感になり、接続詞を強く意識する
- 根拠を「経験的事実」として提示することが大事
どうして論理的に説明できないのか
- 考えていることを何も加工せずに、そのまま言葉にしてしまう
- 主張を言いっ放しで終わること
- 論証において重要な条件や前提などが、暗黙の了解として隠されていること
論理とはなにか
- 論理とは、語と語の関係性のこと
- 論理的であるには、その語と語の関係性に敏感になっていく、それをていねいにつなぎ、追いかけていくという心構えが何より重要
- 接続詞を強く意識することは、論理的であることの助けになる
論証とはなにか
- 「なんらかの理由」が示されていて、その理由をもとに「何らかの結論(または主張)」が出されていれば、それは論証と呼べる
- 論証の一般的な形式ー>「根拠、だから、結論」
- より受け入れられやすい主張を根拠にする
- より受け入れられやすい根拠とは、「経験的事実」
- 根拠を経験的事実として提示することが大事
論証のホップ・ステップ・ジャンプ
- ホップ
- 第1段階の論証 飛躍の小さい丁寧な論証で、まずは最初の結論を相手にわかってもらう
- ステップ
- 第2段階の論証 第1段階の結論を根拠にして、第2段階の結論を相手にわかってもらう
- ジャンプ
- 第3段階の論証 第2段階の結論を根拠にして、第3段階の結論を相手にわかってもらう
帰納的論証と演繹的論証の違い
- 「帰納」ー>多くの根拠から、それらには含まれない結論を導き出すこと
- 「演繹」ー>前提として挙げる根拠から、その中に含まれる結論を抽出すること
論理的な質疑応答の方法
- 質疑応答に関する6つのスキル
- 前置きをせず、質問は簡潔にする
- まず相手の発言の中心に触れ、次にその発言について返答する
- 相手への質問と自分の主張を同時にしない、質問は論証形式にしない
- 相手に対する自分の質問内容を覚えておき、その質問に相手が答えているかどうかをそのつど確認する
- 自分は相手の意見に賛成なのか、反対なのか、異論を唱えるのかを明確にする
- 自分の質問は実態調査タイプか、仮説検証タイプかを知る
問いのブレイクダウン
- 問いのブレイクダウンとは - 大きな問題から個別の問題へ分解していく作業
- セルフ・ディベート法(自分自身を相手にして仮想議論を展開する方法)
- 自分の主張の背景を検討する
- 相手の主張の背景を検討する
- 問いのブレイクダウン・ネットワークを作成する
- 問いのブレイクダウン・ネットワークに答える
- 互いの主張がぶつかり合う
- 「自分の主張は、常にある条件のうちにおいてのみ有効である」とする態度を持つことが大切
- 互いの根拠がぶつかり合う
- a.経験的事実として即、認められるもの
- b.根拠として用いるには、それに対応すると考えられる経験的事実を探し、その結果、初めて根拠と呼べるもの
- c.根拠としては使えない、経験的事実と対応していないもの
※aを使うのがもっともよい
- 互いの論拠がぶつかり合う
- 双方の言葉の使い方がすれ違う
前回の記事で紹介した「思考」を育てる100の講義
にもあるように、表現とは「他者を説得する行為」であり、感情的になって観察を遮断し、ただ相手を打ち負かしてやろう、というものではないのです。
そのためには論理的に説明できるようにならないといけない。
そしてはじめて、自分の発言は「意見」や「主張」になるのだと思います。
目次
第1章 どうして論理的に説明できないのか
第2章 論理とはなにか
第3章 論証とはなにか
第4章 帰納的論証と演繹的論証の違い
第5章 論理的な質疑応答
第6章 問いのブレイクダウン
第7章 「やっぱり」考
第8章 うまくいかない対話の対処