書評なんかあきらめろ 〜感想文が書けません〜

書籍の書評・要約をなんとかやってみようというブログです

【必読】進化しすぎた脳緊急レポート

タイトルはいつものようにホッテントリメーカーでつくりました、ハイ。



ざっくりいうと
  1. 人間の脳は進化しすぎている
  2. しかしそれによって余裕ができ、新しい環境や急激な身体の変化もコントロールすることができる
  3. 人間は身体ではなく「環境」を進化させている

ラジコン・ネズミに自由はあるか?

  • 脳は機能が局在化している ある部位はこれ、ある部位はそれ、という風に専門化している。
  • だからネズミの脳に刺激を送り、ネズミを動かすということができる。
  • 自分の意思とは関係なく身体が動いたら、それでも自由意志と呼べるのか?

<意志>が目に見える?

  • サルとロボットアームの実験ー>念じるだけでロボットアームを動かせるように
  • 意志が形になったー>義手への応用も
  • 「脳の地図」は、身体が決めている。 脳の構造は、入ってくる情報に応じて臨機応変に変化する
  • 脳が体を支配しているのではなく、身体が脳を主体的にコントロールしている。



これなんか凄い。with her brainとあるので脳波で動かしてるのかな?
しかも投稿年は2009年なので今はもっと進化してるかも。

人間の脳は過剰進化している、だから使いこなせていない

  • しかしそれによって余裕ができている、柔軟性がある
  • 新しい環境、もしくは進化や奇形などで身体そのものが急激に変化してしまってもコントロールできる

世界は脳のなかでつくられる?

  • 進化の過程で人間のこの目が出来上がり、宇宙空間に飛んでいる光子(フォトン)をその目で受け取り、その情報を解析して認識できて、はじめて世界が生まれたのではないか。
  • 目ができたから世界が世界としてはじめて意味を持った。
  • 目に見えるものの解釈が違ってしまえば、それはもはや世界が違う、ということ。

ここら辺は「環世界」という言葉を思い出しました。私は國分功一郎『暇と退屈の倫理学』で知りました。
 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E4%B8%96%E7%95%8C



マダニというダニの一種には視覚・聴覚が存在しないが嗅覚、触覚、温度感覚がすぐれている。この生き物は森や茂みで血を吸う相手が通りかかるのを待ち構える。相手の接近は、哺乳動物が発する酪酸の匂いによって感知される。そして鋭敏な温度感覚によって動物の体温を感じ取り、温度の方向に身を投じる。うまく相手の体表に着地できたら手探りで毛の少ない皮膚を探り当て、生き血というごちそうにありつく。この生き物にとっての世界は見えるものでも聞こえるものでもなく、温度と匂いと触った感じでできているわけである。しかし血を提供する動物は、ダニの下をそう頻繁に通りがかるわけではない。マダニは長期にわたって絶食したままエサを待ち続ける必要がある。ある研究所ではダニが18年間絶食しながら生きていたという記録がある。


「見ること」は無意識?

  • 「見る」というのも能動的な行為ではない。
  • 「見る」とはものを歪める行為 ─── 一種の錯覚である
  • 世の中は三次元なのに、網膜が二次元。そこに映ったものを、脳は強引に三次元に解釈しなければならない。
  • それゆえに「見る」という行為は、人間の意識ではコントロールできなくなってしまった。

悲しいから涙が出るんじゃない?

  • おそらく「悲しみ」を感じさせる<源>になる神経細胞があり、そこが活動すると「涙が出る」という脳部位に情報を送っている。しかしその涙の経路と「悲しい」というクオリア自体は直接関係はない。

神経細胞は増殖してはいけない?

  • その他の細胞は2〜3ヶ月経つと入れ替わってしまう。
  • 脳はそれを排除している。「自分を生み出す脳」まで入れ替わってしまったら、自分が自分でなくなってしまうため。

脳があいまいなのには理由がある?

  • なぜ人は抽象的な思考をするのか。
  • 生きるための知恵として、多くの事象の中から隠れたルールを抽出するために重要。
  • それを学習して、別の機会に応用できるようにする。

  • 人の記憶はあいまい。そのあいまいさと学習の遅さが重要

  • 性格無比な記憶は役に立たない。応用できないから。
  • つまり、覚えなければいけない情報を有用化して保存するために、脳は事象を一般化する「汎化」をしている。
  • そのため、脳はゆっくりと、そしてあいまいに情報を蓄えていくということをしている。

では、その<あいまいさ>はどこから生まれるのか

  • そのあいまいさの起源はシナプスにある。
  • シナプスの結合力が変化すると、記憶力も変化する。

人間は「体」ではなく「環境」を進化させている。

  • 現代の人間は長生きするので、アルツハイマー病は自然淘汰されなかった。
  • 医療技術の発達によって、本来なら自然淘汰されているような人でも子孫を残すことができている。
  • 外部の環境に合わせるのではなく、自分達で「環境」を進化させている。新しい進化の方法。
  • 「着床前診断」や「デザイナー・ベイビー」、進化のプロセス自体が進化しはじめている。

2014年8月に読んだ本(ブクログ登録分)

noriyo_tcpの本棚 - 2014年08月 (13作品)
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以前にも記事にした森博嗣さんの著作は面白かったです。
あとは車輪の下 (新潮文庫)ですかね。主人公の複雑かつ繊細な心理が描写されており、さすが名作といったかんじでした。

論理的に説明する技術を鍛える



ざっくりいうと
  • 考えていることを何も加工せずに、そのまま言葉にしてしまうと、論理的な説明ができない
  • 論理的であるには、その語と語の関係性に敏感になり、接続詞を強く意識する
  • 根拠を「経験的事実」として提示することが大事

どうして論理的に説明できないのか

  1. 考えていることを何も加工せずに、そのまま言葉にしてしまう
  2. 主張を言いっ放しで終わること
  3. 論証において重要な条件や前提などが、暗黙の了解として隠されていること


論理とはなにか

  • 論理とは、語と語の関係性のこと
  • 論理的であるには、その語と語の関係性に敏感になっていく、それをていねいにつなぎ、追いかけていくという心構えが何より重要
  • 接続詞を強く意識することは、論理的であることの助けになる


論証とはなにか

  • 「なんらかの理由」が示されていて、その理由をもとに「何らかの結論(または主張)」が出されていれば、それは論証と呼べる
  • 論証の一般的な形式ー>「根拠、だから、結論」
  • より受け入れられやすい主張を根拠にする
  • より受け入れられやすい根拠とは、「経験的事実」
  • 根拠を経験的事実として提示することが大事

 

論証のホップ・ステップ・ジャンプ

  • ホップ
    • 第1段階の論証 飛躍の小さい丁寧な論証で、まずは最初の結論を相手にわかってもらう
  • ステップ
    • 第2段階の論証 第1段階の結論を根拠にして、第2段階の結論を相手にわかってもらう
  • ジャンプ
    • 第3段階の論証 第2段階の結論を根拠にして、第3段階の結論を相手にわかってもらう


帰納的論証と演繹的論証の違い

  • 「帰納」ー>多くの根拠から、それらには含まれない結論を導き出すこと
  • 「演繹」ー>前提として挙げる根拠から、その中に含まれる結論を抽出すること


論理的な質疑応答の方法

  • 質疑応答に関する6つのスキル
  1. 前置きをせず、質問は簡潔にする
  2. まず相手の発言の中心に触れ、次にその発言について返答する
  3. 相手への質問と自分の主張を同時にしない、質問は論証形式にしない
  4. 相手に対する自分の質問内容を覚えておき、その質問に相手が答えているかどうかをそのつど確認する
  5. 自分は相手の意見に賛成なのか、反対なのか、異論を唱えるのかを明確にする
  6. 自分の質問は実態調査タイプか、仮説検証タイプかを知る



問いのブレイクダウン

  • 問いのブレイクダウンとは - 大きな問題から個別の問題へ分解していく作業
    1. セルフ・ディベート法(自分自身を相手にして仮想議論を展開する方法)
    2. 自分の主張の背景を検討する
    3. 相手の主張の背景を検討する
    4. 問いのブレイクダウン・ネットワークを作成する
    5. 問いのブレイクダウン・ネットワークに答える
  • 対話がうまくいかない理由と対処
    1. 互いの主張がぶつかり合う
      • 「自分の主張は、常にある条件のうちにおいてのみ有効である」とする態度を持つことが大切
    2. 互いの根拠がぶつかり合う
      • a.経験的事実として即、認められるもの
      • b.根拠として用いるには、それに対応すると考えられる経験的事実を探し、その結果、初めて根拠と呼べるもの
      • c.根拠としては使えない、経験的事実と対応していないもの
        ※aを使うのがもっともよい
    3. 互いの論拠がぶつかり合う
    4. 双方の言葉の使い方がすれ違う 


  • 前回の記事
    で紹介した「思考」を育てる100の講義 にもあるように、表現とは「他者を説得する行為」であり、感情的になって観察を遮断し、ただ相手を打ち負かしてやろう、というものではないのです。
     

    そのためには論理的に説明できるようにならないといけない。
    そしてはじめて、自分の発言は「意見」や「主張」になるのだと思います。
     


    目次

    第1章 どうして論理的に説明できないのか

    第2章 論理とはなにか
    第3章 論証とはなにか
    第4章 帰納的論証と演繹的論証の違い
    第5章 論理的な質疑応答
    第6章 問いのブレイクダウン
    第7章 「やっぱり」考
    第8章 うまくいかない対話の対処 

     

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