ざっくりいうと
- 人間の脳は進化しすぎている
- しかしそれによって余裕ができ、新しい環境や急激な身体の変化もコントロールすることができる
- 人間は身体ではなく「環境」を進化させている
ラジコン・ネズミに自由はあるか?
- 脳は機能が局在化している ある部位はこれ、ある部位はそれ、という風に専門化している。
- だからネズミの脳に刺激を送り、ネズミを動かすということができる。
- 自分の意思とは関係なく身体が動いたら、それでも自由意志と呼べるのか?
<意志>が目に見える?
- サルとロボットアームの実験ー>念じるだけでロボットアームを動かせるように
- 意志が形になったー>義手への応用も
- 「脳の地図」は、身体が決めている。 脳の構造は、入ってくる情報に応じて臨機応変に変化する
- 脳が体を支配しているのではなく、身体が脳を主体的にコントロールしている。
これなんか凄い。with her brainとあるので脳波で動かしてるのかな?
しかも投稿年は2009年なので今はもっと進化してるかも。
人間の脳は過剰進化している、だから使いこなせていない
- しかしそれによって余裕ができている、柔軟性がある
- 新しい環境、もしくは進化や奇形などで身体そのものが急激に変化してしまってもコントロールできる
世界は脳のなかでつくられる?
- 進化の過程で人間のこの目が出来上がり、宇宙空間に飛んでいる光子(フォトン)をその目で受け取り、その情報を解析して認識できて、はじめて世界が生まれたのではないか。
- 目ができたから世界が世界としてはじめて意味を持った。
- 目に見えるものの解釈が違ってしまえば、それはもはや世界が違う、ということ。
ここら辺は「環世界」という言葉を思い出しました。私は國分功一郎『暇と退屈の倫理学』で知りました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E4%B8%96%E7%95%8C
マダニというダニの一種には視覚・聴覚が存在しないが嗅覚、触覚、温度感覚がすぐれている。この生き物は森や茂みで血を吸う相手が通りかかるのを待ち構える。相手の接近は、哺乳動物が発する酪酸の匂いによって感知される。そして鋭敏な温度感覚によって動物の体温を感じ取り、温度の方向に身を投じる。うまく相手の体表に着地できたら手探りで毛の少ない皮膚を探り当て、生き血というごちそうにありつく。この生き物にとっての世界は見えるものでも聞こえるものでもなく、温度と匂いと触った感じでできているわけである。しかし血を提供する動物は、ダニの下をそう頻繁に通りがかるわけではない。マダニは長期にわたって絶食したままエサを待ち続ける必要がある。ある研究所ではダニが18年間絶食しながら生きていたという記録がある。
「見ること」は無意識?
- 「見る」というのも能動的な行為ではない。
- 「見る」とはものを歪める行為 ─── 一種の錯覚である
- 世の中は三次元なのに、網膜が二次元。そこに映ったものを、脳は強引に三次元に解釈しなければならない。
- それゆえに「見る」という行為は、人間の意識ではコントロールできなくなってしまった。
悲しいから涙が出るんじゃない?
- おそらく「悲しみ」を感じさせる<源>になる神経細胞があり、そこが活動すると「涙が出る」という脳部位に情報を送っている。しかしその涙の経路と「悲しい」というクオリア自体は直接関係はない。
神経細胞は増殖してはいけない?
- その他の細胞は2〜3ヶ月経つと入れ替わってしまう。
- 脳はそれを排除している。「自分を生み出す脳」まで入れ替わってしまったら、自分が自分でなくなってしまうため。
脳があいまいなのには理由がある?
- なぜ人は抽象的な思考をするのか。
- 生きるための知恵として、多くの事象の中から隠れたルールを抽出するために重要。
それを学習して、別の機会に応用できるようにする。
人の記憶はあいまい。そのあいまいさと学習の遅さが重要
- 性格無比な記憶は役に立たない。応用できないから。
- つまり、覚えなければいけない情報を有用化して保存するために、脳は事象を一般化する「汎化」をしている。
- そのため、脳はゆっくりと、そしてあいまいに情報を蓄えていくということをしている。
では、その<あいまいさ>はどこから生まれるのか
- そのあいまいさの起源はシナプスにある。
- シナプスの結合力が変化すると、記憶力も変化する。
人間は「体」ではなく「環境」を進化させている。
- 現代の人間は長生きするので、アルツハイマー病は自然淘汰されなかった。
- 医療技術の発達によって、本来なら自然淘汰されているような人でも子孫を残すことができている。
- 外部の環境に合わせるのではなく、自分達で「環境」を進化させている。新しい進化の方法。
- 「着床前診断」や「デザイナー・ベイビー」、進化のプロセス自体が進化しはじめている。